里親家庭を中心としたチーム養育の実現を!

2020年4月21日

里親制度による家庭への委託率が低調な原因の一つとして、里親が誰にも相談ができないままに悩みを抱え、問題を解決できずに養育が不調に終わる現状があるのではないでしょうか。つまり、里親と里子の関係が行き詰まり、児童相談所の判断で引き取られるケースが結構あるように思います。

 

孤独な里親には支援の手が必要な時も

これは意外だったのですが、里親会にも入らず、相談する相手が誰もいない里親が、結構いらっしゃるようです。確かに、里親会への加入率は、全国平均で平成25年度では55%程度となっています。低調な県では、30%前後です。この数字には未委託の里親も入っているので、実際に養育をしていながら里親会への加入を見合わせている家庭を対象に計算すれば、加入率はもう少し高くなると考えられます。しかし、相談する相手がなく孤独の中で子育てをするという里親家庭が、実際にあるのです。子育ては山あり谷ありですから、児童相談所以外に情報や意見交換、悩みが相談できる相手がいないというのは、少し心配な気がします。

というのも、児童には実家庭で暮らすことが出来ない何らかの要因があるわけで、虐待による身体の傷ばかりでなく、ネグレクト等による心の傷を抱えている子も多くいます。しかも統計によれば、児童養護施設における障害等のある児童は昭和62年では8.3%だったところ、平成20年では23.4%に増加しています。この増加傾向は、かつては見過ごされていた発達障害などがクローズアップされたこと等にも起因するとは思います。しかしながら、障害を持つ子の割合は、一般家庭での割合と比べて高いのは事実です。愛情に包まれながら育つべき大切な時期を経験せず愛着を形成できていない子も多くいます。そのような要因があって、児童養護施設や里親家庭での養育は、一般家庭よりも難しい傾向に置かれているのが現実です。

 

里親会が里親の心の支援を担ってきた

里親が孤独にならない存在として、里親会は役割を果たしてきたと思います。研修会や親睦会、レクリエーション、里親サロンなど、人と人が交流することを目的とした活動が中心です。しかし、任意団体のため加入の強制はできず、入会者が増えないジレンマを抱えながら、会員は里親制度の発展を願ってきたはずです。

私もそうですが、委託を受ける里親にとって、志を同じくする人たちの集まりである里親会は、とても頼もしく有難い存在となっています。先人に感謝するばかりです。

 

里親家庭では、チーム養育が必要

私は、里親は孤独になるべきではないと思います。里親家庭を中心に、児童相談所からは児童福祉司や児童心理司、児童養護施設からは里親支援専門相談員、そのほか児童の養育に携わった担当職員、学校や場合によっては医療機関などが連携をして、チームで養育する体制が必要なのだと思います。東京都では、実際の施策としてチーム養育を掲げています。養育がしんどい時には、レスパイト・ケアも必要でしょう。実際に、私が知っている里親家庭でも、子との間で衝突してしまい自己解決ができないときには、児童心理司に連絡すれば、すぐに駆けつけて対応をしてくれるそうです。里親にとっては、休息の時間を得ることができます。自分では手に負えないから誰かに頼るという行為はネガティブに考えてしまいそうですが、能力や努力が足りないのではありません。そのための専門家ですから、必要に応じてお願いすることは、大事なことだと思います。これはむしろ推奨されるべきで、だからこそチーム養育が果たす役割と効果が期待できるのだと思います。

 

安心して子育てが出来る環境は有難いこと

考え方なのですが、里親は手厚い支援を受けられる立場にあり、子育てする環境に恵まれていると言えると思います。一般家庭なら児童相談所への相談は、敷居が高いのかもしれませんし、すぐに児童心理司が駆けつけてはくれないかもしれません。里親にとっては児童相談所は身近な存在であり、子育ての良きパートナーです。心配や悩みがあれば、いつでも相談に乗ってくれます。その地域の児童養護施設には里親支援専門相談員もいて、里親を支えてくれます。今はまだ、緊急や特別な時に必要な存在なのかもしれませんが、日常においても常に連携し、支援し合える関係であれば、なおさら望ましいと思います。

チーム養育の概念が、東京をモデル地域に早く浸透し、子を皆で守り育むという体制が整うことを願っています。

里親

Posted by sarifa