普通養子縁組では実親が養親の財産を取得することがある問題
特別養子縁組なら実親との相続関係が断絶される
特別養子縁組は実親と戸籍上も関係が断絶されるので、それを目的に縁組を希望されている方が多いと思います。戸籍においては、実子と同様の記載がされるので、養子とは分からない(分かりにくい)記載がされます。そして法律上の親子関係ではなくなるので、実親が亡くなっても実子には相続関係が発生しません。その逆の場合、実子が亡くなっても実親には相続権がありません。
一方、普通養子の場合はどうでしょうか。実親と実子の相続関係は継続します。サザエさん一家を例に考えてみます。マスオさんは波平さんの養子(普通養子)です。マスオさんはまだ幼く一人っ子と仮定して実親を父Aとします。マスオ君は普通養子のため、実父Aとは親子関係が継続しますから、相続関係にもあります。実父Aが亡くなった場合、相続人はマスオさんです。波平さんが亡くなった場合、相続人は妻のフネ、実子のサザエ、カツオ、ワカメ、そして養子のマスオです。つまり、マスオ君は、実父Aと波平さんの両方から相続できる権利を持っています。逆に言えば、普通養子である以上、実親と実子の相続関係は継続し続けるのです。
これを、里親制度に当てはめて考えてみます。普通養子縁組をしたなら、養親は波平さん、養子はマスオ君、実親は父Aに該当します。実父Aは定職にも就かず借金を繰り返し、しかもマスオ君をひどく虐待した結果、マスオ君は児童相談所に保護され、養親である波平さんと普通養子縁組をして磯野家に来たとします。そしてしばらくして、波平さんは不慮の事故で急死してしまいます。これを相続するのはフネ、サザエ、カツオ、ワカメ、そしてマスオですが、なんとその後すぐにマスオも死んでしまいました。この場合の相続人は、誰だと思いますか?
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